今年の秋展は「旅」がテーマ。絵をかくことの次に、旅が好きだったというちひろ。
みなさんも、ちひろの絵のなかの旅を、一緒に楽しんでみませんか?
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なにからなにまで見なければ描けないなんてことはないけれど、じかにこの目で見、ふれることのできる感動が どんなにわたくしを力強く仕事に立ち向かっていけるようにするかということをかみしめていました。
いわさきちひろ 1967年
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いわさきちひろは、絵を描くことの次に旅が好きだと語っていました。国内旅行はもちろん、モスクワで開かれた世界婦人大会の日本代表団として参加した40日間のソビエト旅行、画家仲間と母を伴っての1ヶ月のヨーロッパ旅行など、当時としては珍しく海外へも赴いています。
ちひろは旅先でも常にスケッチブックを持ち歩き、数多くのスケッチを残しました。ソビエト旅行で訪れたキーウでのスケッチには、美しい街並みとともにその土地に憩う人々の姿もとらえており、ちひろが心惹かれたものが垣間見えます。
また、こうした旅の記憶は、物語の表現にリアリティを与え、数々の絵本の代表作が生まれました。本展では、ちひろが旅先で描いたスケッチとともに、『にんぎょひめ』『あかいふうせん』『りゅうのめのなみだ』など旅の経験が生かされた絵本を紹介します。
行楽の秋に、ちひろの絵のなかの旅をお楽しみください。
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【ピエゾグラフとは】
ちひろ美術館では、2004年より、その時点の作品の状態をデジタル情報として記録し、保存していくアーカイブを進めてきました。同時に、そのデジタル情報をもとにして、「ピエゾグラフ」の制作をしています。
ピエゾグラフとは、耐光性のある微小インクドットによる精巧な画像表現で、ちひろの繊細な水彩表現を高度に再現しています。